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靴を長い間履いていると、少しずつ靴の底が減ります。
靴は消耗品なので仕方ないことですが、靴の底の減り方に偏りや癖がある場合は注意してください。
靴の偏った減り方は体のバランスの崩れているサインです。
多くのお客様の靴を見て、靴のすり減り方はいくつかのパターンに分かれていることが分かりました。
そこで今回は、靴の減り方とインソールの効果についてまとめました。
このページの目次
靴の減り方のパターン
お店で様々なお客様が履いてきた靴を見ていると、靴の減り方はいくつかのパターンかに分かれています。
- 内側
- 外側
- つま先の少し手前
- 左右非対称
の4つのパターンに分類することができます。
多いのは内側・外側のかかと部分が他の部分よりも多くすり減っているパターンで、左右非対称とつま先の少し手前がすり減っているパターンは割合として少ないです。
体のバランスが整っていて、正常に歩いている場合は靴のかかとの外側と拇指球の辺りが同じぐらいすり減っています。
かかとは足の中心ではなく少し外側にあるため、歩くときにバランスよく足を着地させていると少しだけ外側がすり減ります。
また、拇指球の辺りがすり減っているということは、歩くときに足を蹴り出す際に拇指球の辺りを正しく使えている証拠です。
靴の内側が減るパターン
靴のかかとの内側に向かって斜めに減っている場合は、バランスが内側に向かっています。
過回内(かかいない)と言われる状態で、足の内側にバランスが崩れているサインです。
扁平足や外反母趾になっているお客様に多いパターンです。
着地の際に靴の内側が先に地面に着いているため、かかとの内側が偏ってすり減ります。
蹴り出す際にも、拇指球の少し内側に力が入ってしまうため、拇指球の少し内側が一緒にすり減っていることが多いです。
年配の女性の方に多いように感じます。
足の裏にあるアーチが崩れてしまっているため、衝撃を吸収・分散する力が弱くなり膝・腰・首などに痛みが出るケースもあります。
靴の外側が減るパターン
靴のかかとの外側に向かって斜めにすり減っている場合は、バランスが外側に向かっています。
過回外(かかいがい)と言われる状態で、足の外側にバランスが崩れているサインです。
O脚やガニ股で歩く癖のあるお客様に多く見られます。
また骨格等が原因で足のアーチが高くなっているお客様にも見受けられます。
着地の際に靴の足の外側が先に地面に着地するため、かかとの外側が偏ってすり減ります。
蹴り出す際も、拇指球の辺りではなく足の中指や薬指の辺りに力が入ってしまうため、つま先よりの内側が一緒にすり減っていることが多いです。
足の中指や薬指の付け根辺りにタコ・魚の目ができることもあります。
外側に力がかかりやすくなるため、歳を重ねると内反小趾になる可能性もあります。
つま先の少し手前が減るパターン
靴のかかとよりも、つま先の少し手前が多くすり減るパターンもあります。
そこまで多いパターンではありません。
歩くときにかかとをしっかりと使えていないとつま先の少し手前の辺りばかりがすり減るようになります。
体の重心が後ろ側(かかと側)に偏っている方に多く、歩く時に猫背気味に歩く癖が見られます。
体の重心が後ろ側に偏ると、歩く際にバランスを保つために少し前傾になってしまうからです。
すると、かかとが地面についてもすぐに浮いてしまうためにつま先の手前辺りばかりすり減ってしまうのです。
重心の偏りが原因で腰や背中などに痛みを抱えているケースもあるので、要注意です。
靴が左右非対称に減るパターン
左右非対称に減っているケースはかなりレアなパターンです。
考えられる主な原因としては、怪我等で片側の足が正しく使えていない場合です。
怪我をした覚えもなく、左右非対称に靴が減っている場合はなるべく早いうちにお医者さんに診てもらうようにしてください。
左右の足のバランスが非対称になっている可能性が高いからです。
1cm前後の左右差があるケースは多く、誤差の範囲と考えられます。
誤差以上に足全体の長さや足のサイズの大きさに差が出てしまうと、左右の足のバランスが崩れている可能性が高いです。
なるべく早く原因を見つけて対策をしておかないと、後々片方の足への負担が増え体の様々な部分に支障が出る原因となります。
インソールの役割
体のバランスのズレを補正するためのサポートするために用いられることが多いのが靴のインソールです。
インソールには様々な効果がありますが、足元のバランスを整える役割もあります。
足の裏からしっかりとインソールで支えることにより、今までいくつかの点で支えていた足を面で支えることができるようになります。
また、かかと部分が安定して靴の中で足がしっかりと固定され、歩く時にバランスが崩れにくくなる効果も出てきます。
土踏まず(足のアーチ)部分を下からサポートすることで足が本来持つ衝撃を吸収・分散する機能を助ける役目も果たします。
すると、衝撃が分散されるようになり体への負担が減って疲れにくくなったり膝・腰・肩など体の他の部分への痛みが軽減することもあるのです。
様々な効果やメリットがあるインソールですが、ただ闇雲にインソールを入れれば良いというわけではありません。
大切なことは足に合うインソールを自分のバランスの崩れ方や状態・癖などを知って正しく使うことです。
足に合わないインソールを使っていてはインソールの効果が発揮されないどころか逆効果になってしまうこともあります。
どのようなインソールを選べば良い?
インソールは足に合うインソールを使うことで足の働きを補助する効果やバランスを補正する効果を得ることができます。
その効果を発揮するためには、
- 立体的な構造になっている
- 足の裏の形に合う
- かかと部分がしっかりとしている
- ある程度硬い素材
のインソールを選ぶようにしてください。
ご自分で選ぶのに不安がある場合は、インソールを専門に取り扱う専門店で選ぶことをオススメします。
また、オーダーメイドインソールを作成するのもオススメです。
オーダーメイドインソールは足の形に合わせて作れるインソールです。
熱成形で足の形に合わせてスタッフと一緒に作ることができるので、足や靴の相談にものってもらえることがあります。
間違ったインソール選び
インソールには様々な商品が販売されています。
中には角傾きが最初からついたインソールもあります。
体のバランスを補正したいからと傾きがついているインソールをご自身で選ぶのだけはオススメできません。
なぜなら、その傾きの影響でさらに体のバランスが崩れてしまう可能性があるからです。
病院等で傾きがついているインソールを勧められた場合などはお医者様の意見に従って選んでください。
足に合う靴を履くことも大切
靴の減り方に偏りがある場合、足に合う靴を履くことも大切です。
足に合っていない靴を履いていることで靴がすり減っているケースもあります。
サイズの大きい靴を履いていると、どうしても脱げやすいため脱げないように履くために歩き方に癖ができてしまいます。
また、まれに靴の底自体が傾いているケースもあり、その靴を履いているときだけ減り方だけ激しいということもあります。
インソールに即効性はないので注意!
体のバランスが崩れていて、インソールを入れ始めたからとすぐに靴の減り方が変わるわけではありません。
体のバランスは生活をしている間に少しずつ崩れ、今の状態になっています。
インソールを入れて、生活するうちに少しずつバランスが補正されたり歩き方が変わったりしていくのです。
あくまでもインソールは足の働きを補助するアイテムの1つです。
大切なことはインソールを入れて、体の使い方を意識しながら生活を送ることです。
異邦人にできること
異邦人はオーダーメイドインソールとウォーキングシューズを専門に取り扱う靴屋です。
お客様の足のサイズを正しく測って、お客様の足や歩き方の癖などを一緒に分析しながらお客様に合う靴とインソールをご提案しています。
お医者様に勧められてご来店されるケースも多く、足に合う靴とインソールをご提案してお客様の健康を足元から支えています。
靴の減り方に偏りが合ってどうにかしたいとお悩みでしたら、異邦人までご来店・ご相談ください。
私達の経験や知識からお客様のお悩みが解決できるようお手伝いさせていただきます。
まとめ
靴の減り方に癖がある場合、足のバランスが崩れてしまっているサインです。
内側(過回内)や外側(過回外)になっている可能性が高いです。
- かかとの内側が減りやるい場合は過回内
- かかとの外側が減りやすい場合は過回外
- つま先の手前側が減りやすい場合は重心が後傾気味
- 左右が非対称にすり減っている場合は病院へ
インソールを使うことで、足や体のバランスを正しく保つための補助をすることができます。
体の偏ったバランスを補正する手助けをするのがインソールの役割ですが、ただインソールを入れれば良いかというとそういうわけではありません。
大切なことは足に合う靴と体のバランスを補正するインソールを履き、意識を持つことです。
異邦人にも様々な足や靴の悩みを抱えたお客様がご来店されます。
中にはひどく偏ったすり減り方をしている靴も見かけます。
そんなお客様が健康的に歩けるようお手伝いさせていただくのが私達の指名だと考えています。
靴の減り方が内側や外側などに偏っていらっしゃう場合は、お気軽に異邦人までご来店・ご相談ください。